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2006/01/30

井上ひさし作「兄おとうと」

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「九条の会」の呼びかけ人のお一人である井上ひさしさん作のこまつ座公演「兄おとうと」を紀伊国屋ホールで観ました.吉野作造・信次兄弟の音楽評伝劇です.演出は鵜山仁さん,出演は辻萬長さん(吉野作造),剣幸さん(吉野玉乃),大鷹明良さん(吉野信次),神野三鈴さん(吉野君代),宮地雅子さん(大川勝江ほか),小嶋尚樹さん(青木存義ほか),ピアノ演奏は朴勝哲さんです.初演は2003年ですが,今回の再演は大幅に加筆して2幕5場の3時間の公演でした.
http://www.komatsuza.co.jp/kouen_new/index.html

 民本主義を提唱し大正デモクラシーの旗手となった吉野作造と,彼の10歳年下の弟,高級官僚で大臣を2度勤めた政治家の信次,この兄弟の話です.兄弟の奥さんも実の姉妹です.年が離れていることもあって吉野兄弟は生涯に枕を並べて寝たことは少なく,その少ない5日のできごとが一日5場になっています.「ここで共に暮らして行こうという意志と,よりよい生活を目指そうという願い,それが国を作る根本である」と主張する作造と,「天皇が定められた憲法に従って仕事するのが私の役目」と主張する信次は,たまに会えば議論です.
その議論を通して,高らかに「憲法は人のなぜ?に答えるものでなければならない」と歌い上げます.例えば「フナの甘露煮を作る工場で働く私かなぜ甘露煮を食べられないの?」,「勉強好きな弟がなぜ中学校に進学できないの」というなぜに.

 最後は大正時代を超えて,空襲でなくなった人へのレクイエムを歌いあげます,「憲法とは,人びとから国家に向かって発せられた命令である」と吉野作造に主張させる井上ひさしさん渾身の作です.

剣幸さんをはじめとして素晴らしい歌唱力と生のピアノ演奏,感動的なそして希望の見える見事なアンサンブルの音楽劇でした.拍手は高く長く続き,カーテンコールが5回もありました.

紀伊国屋ホールでは2月5日まで,その後4月まで地方公演です.お勧めしたい作品です.

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コメント

お久さしぶりです。
もうご存知かもしれませんが、小森さんの連続講座をお伝えしときますね。

小森陽一さんの連続講座
日本の近代文学と憲法
第一回2月 6日(月)夏目漱石と日本国憲法
第二回2月20日(月)宮沢賢治と日本国憲法
第三回3月 6日(月)大江健三郎と日本国憲法
時間はいずれも午後6:30~8:30
会場
全国教育文化会館エデュカス東京地下会議室
受講料
全3回で5250円
1回のみの受講2100円
お問い合わせ・お申し込み
ムジカ音楽・教育・文化研究所
TEL03-3356-5713
FAX03-3354-0751
E-mail musica@ny.airnet.ne.jp

僕は行けるかどうかわかりませんが、夏目漱石の続きとしては面白いかもしれませんよ。
一昨日から、誘われるままMIXIにも参加してます。

投稿: ende_m | 2006/02/01 01:24

小森氏の連続講座,知りませんでした.ご案内いただいてありがとうございます.第1回はもう満席のようですね.2回,3回はできたら行きたいと思っています.

mixiに参加されたのですね.mixiでもよろしくお願いいたします.

投稿: アテナ | 2006/02/01 08:06

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